京大・神戸大 経済学部編入試験に向けての独学

私が実際に合格しました、京都大学、神戸大学の経済学部編入試験について書き記したブログです。

大学編入のためのマクロ経済学

はじめに

 たいていの大学の経済学部編入試験で課される経済学の分野はミクロ経済学マクロ経済学になるかと思います。今回はマクロ経済学についてです。

ミクロ経済学についてはこちらからどうぞ

mozuku-lifework.hatenablog.com

 

大学編入試験におけるマクロ経済学

 マクロ経済学ミクロ経済学と比較して、古典派やらケインジアンなど学派が分かれていたり、短期と長期で異なる考え方があったりと、なかなかややこしく理解するのに苦労した記憶があります。私自身もだいたいを理解するのに時間がかかりましたので何度も復習しつつ勉強を進めていく必要があるかと思います。

 勉強法に関しては、まずは語彙の確認と計算問題を解けるようになることです。しかし、編入試験のマクロ経済学の問題は基本的なものばかりで計算問題だけではなかなか差がつかないかと思います。そこで重要なのは記述式の問題で正確に答えることができるかどうかであると思います。計算問題に関しては慣れると解くことができるかと思います。一方、記述式の問題では本当に理解していなければ解けません。言い換えると、記述式の問題でも解くことができるようになるとマクロ経済学を理解できているということになり編入試験でも問題ないかと思います。丁寧に勉強をしてほしいと思います。

 また、神戸大学東北大学、そして京都大学マクロ経済学における各難易度ですが、神戸大学東北大学<京都大学かなと思います。やはり京都大学はその難易度も出題範囲も広く難しいです。断言できませんが、京都大学に関しては大体得点率65%が合格ラインかと思います。(おそらく私の得点がそれくらいだったと思います。)

 

マクロ経済学の参考書

入門マクロ経済学(中谷マクロ)

 私がマクロ経済学を勉強する際に始めに使用したテキストです。有名なテキストですね。おそらく、マクロ経済学を勉強する際、最も読み返したテキストです。
 では、お勧めできるテキストかというと正直「う〜ん。」です。マクロ経済学理解の土台を作ってくれたテキストではありますが、まず、私はこのテキストだけではマクロ経済学を十分に理解できなかったのではないかと思います。他に、マンキューのテキストや大学の講義資料等を読んで結果として、このテキストを理解できた・マクロ経済学を理解できました。また、テキストに載っている事例も少し古いものが多いです。まぁ、この箇所は編入試験にはあまり影響しないかと思いますが。
 ただ、次に紹介する、このテキストの姉妹書である問題集で特に記述問題への対策をする際に必要となってきます。

 

スタディガイド 入門マクロ経済学(大竹マクロ)

 中谷マクロに準拠した問題集になります。このテキストの特徴は、他の問題集にはなかなか無い、記述式の問題が多く掲載されていることです。個人的に、編入試験においても差がつくのは、"語彙の意味を正しく答えることができるか"と言ったような記述式の問題であると考えているので、その点でこのテキストはお勧めです。また、記述式の問題を解くことで曖昧に理解している部分が明白になるので、マクロ経済学への理解も深まります。
 ただ、他に⚪︎×問題や計算問題が掲載されていますが、基本やらなくても良いです。例えば、⚪︎×問題にしても、ただ単に答えのみが載っている場合が多く、解説が載っていないことが多いので勉強には非効率であると思いました。せめて、解説に該当する、中谷マクロのページ数を記載して欲しかったと思います。記述問題にはお勧めしますが、計算問題などは別の問題集で取り組むと良いです。

 

試験対応 らくらくマクロ経済学入門

 私が用いたのは改訂第3版になります。公務員試験等のマクロ経済学対策としてのテキストです。大学の編入試験対策にはどうなのかな?と始めは思いましたが、基本的なレベルのマクロ経済学が上手くまとめられており、良いテキストであると思います。
 さて、マクロ経済学を初めて勉強される方はこのテキストが最初のテキストの候補になるかと思いますが、私は2冊目または3冊目のマクロ経済学のテキストとして取り組むことをお勧めします。と言いますのも、上記のようにマクロ経済学が上手くまとめられているので今まで学んだマクロ経済学の復習にうってつけであると私自身感じました。以前紹介した中谷マクロや次に紹介するマンキューでうんうん唸った後このテキストで復習すると上手く頭に入るのではないかと思います。ただ、やはりマクロ経済学の細かいところまでは載っていないのでそこは別の参考書で学ぶ必要はありますので注意です。
 このテキストで特に良かった箇所はIS-LM曲線のグラフを用いた導出です。数学のような第1象限から第4象限まで存在するグラフを用いて導出する方法です。ここの箇所だけでも読んでいただくと良いかなと思います。
 まとめると、資格試験用のテキストですが、マクロ経済学編入試験対策にも役に立つ参考書であると思います。

 

マンキューマクロ経済学 入門編/応用編

 マクロ経済学の有名なテキストです。京都大学では講義で利用されています。私は2冊目に利用しました。分厚いテキストですので読むのが大変ですが詳しく説明されていますしお勧めです。たいていの大学の編入試験には入門編のみでカバーできると思いますが、京都大学志望の方は応用編も読む必要があります。応用編で特に重要な箇所は経済成長モデル、特にソローモデルです。試験に出ますし、分かりやすく解説されていますので読むことをお勧めします。
 一方、曖昧で申し訳ありませんが、私が読んだのは第3版でして、ソローモデルで「黄金律」というキーワードがあるのですが、第3版には載っていなかった気がします。第4版ではどうかは分かりませんが「黄金律」というキーワードは重要で、京都大学編入学試験に出るので仮に載っていないなら別の参考書で学ぶ必要があります。注意してください。また、応用編の経済成長理論以降の箇所は中谷マクロの方で同じような内容を読んでいたため、流し読みで済ませました。
 まとめますと、京大志望の方は基本編だけでなく応用編の経済成長理論の章を読むことをお勧めします。神戸大学などを志望の方は基本編を、もしかするとマンキュー自体必要ではないかもしれません。

 

演習式マクロ経済学入門

 編入試験のマクロ経済学対策でマストである問題集であると思います。上記のように、大竹マクロが編入試験の計算問題対策としては取っ付き難く感じたので代わりとなるマクロ経済学問題集を探していたところ、この参考書にたどり着きました。実際に用いた結果、取り組んでよかったと感じたので非常にお勧めしたく思います。
 表紙の「演習式」とある通り、この参考書はマクロ経済学の問題集となります。基本的に計算問題中心です。一応、この問題集の親となる、マクロ経済学のテキストもありますがそちらは使用していません。マンキューなどの他のマクロ経済学のテキストに取り組んだ方でも問題なく活用できると思います。
 さて、この問題集のオススメポイントですが、まず、この問題集はコンパクトながら分量もそこそこあり、基本的なマクロ経済学の問題に一通り取り組むことができる点、そして、その問題のレベルも神戸大学京都大学編入試験の問題のレベルにちょうど適している点です。特に京都大学志望の方は、ソローモデルからの出題も見られ対策する必要がありますがこの問題集にはソローモデルに関する問題も収録されており、ソローモデルの問題を解いてみる良い機会になるのではないかと思います。もちろん、IS-LM分析のような基本的な問題も収録されていますので、京都大学のみならず、神戸大学志望の方など、全ての方にオススメしたい問題集になります。ぜひ一度手に取ってみてください。

 

マクロ経済学(二神マクロ)

 このテキストは中級レベルのマクロ経済学のテキストであり、基本的に大学の編入試験では不要です。ですが、ソローモデルの説明や式の導出に関してはマンキューのテキストよりも分かりやすく、定常状態や黄金率における関係式の導出が京都大学編入試験問題にそのまま出ることもあるので、京都大学志望の方はソローモデルの箇所だけでも見てみることをお勧めします。ただ、基本的には大学院試用のテキストですね。

 

マクロ経済学基礎講義

 正直、このテキストの恩恵を感じることはありませんでした。国際経済学の為替の部分は分かり易かったですが。編入試験にお勧めだと何処かのサイトかレビューで見かけましたし、2周しましたが、「取り組んで良かった」と思える本ではありませんでした。私の理解度が足りなかった可能性もありますが...

 

神戸大学編入試験過去問のススメ

 マクロ経済学の問題はたいていの大学で似通ったものであると思います。なので、過去問が良い問題集になるかと思いますが、たいていの場合答えが付いていません。しかし、素晴らしいことに、神戸大学は過去問だけでなくその回答も合わせて公開してくれています。なので、神戸大学を受ける方もそうでない方も、神戸大学の過去問を解くことは良い演習になると思いますのでお勧めします。

 

さいごに

 いかがだったでしょうか。マクロ経済学を理解することはミクロ経済学よりも時間がかかるかもしれません。うまく整理をしつつ勉強してほしいと思います。また、参考書ごとにテイストが異なり、この箇所は分かりやすいけれど、この箇所は分かりづらいということがあります。なので、分かりにくい箇所は別の参考書等で補うという勉強をお勧めします。

ここまで読んでいただき、ありがとうございました。